今回は犬との「距離感」=「パーソナルスペース」についてお話したいと思います。

普段みなさんは人とどのくらいの距離で話をするのが最も落ち着きますか?

私たち人と同じように犬にも落ち着く「パーソナルスペース」があります。

さまざまな犬とより仲良くなるために、パーソナルスペースの測り方や上手な距離の取り方を知っておきましょう!

 

そもそもパーソナルスペースとは?

みなさんは、「パーソナルスペース」という言葉を聞いたことはありますか?

パーソナルスペースとは、

他人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリア対人距離とも呼ばれる。一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民族、個人の性格やその相手によっても差がある。

一般に、親密な相手ほどパーソナルスペースは狭く(ある程度近付いても不快さを感じない)、逆に敵視している相手に対しては広い。相手によっては(ストーカー等)距離に関わらず視認できるだけで不快に感じるケースもある。

出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』

パーソナルスペースは一種の縄張りで、人間の場合「対人距離」とも呼ばれます。
置かれている場所の文化や環境、そのときの状況、年齢、性格などによって個人差が大きいのが特徴のようです。
また、対峙する相手によってそのスペースの広さが変わるのが一般的です。
恋人や家族などごく親しい相手ほど、侵入を不快に感じるパーソナルスペースが狭くなり、敵視している相手に対しては、広いパーソナルスペースを必要とします。

犬のパーソナルスペースはとても重要!

人間に限らず、どのような動物にもパーソナルスペースがあると考えられています。
特に野生動物などにとって、パーソナルスペースは命を守るためにも必要となる非常に重要なもので、言葉を持たない動物にとっては、人間以上に敏感かも。
犬の場合も、パーソナルスペースを守ることが自分の身を守ることにつながるため、その侵入を様々な方法で防ごうとするのです。

犬のパーソナルスペースも人間と同様でそれぞれの性格や状況、対峙する相手によって大きく異なります。
そのため、愛犬や外で出会った犬のパーソナルスペースを犬たちの様子からある程度予測し、その距離をしっかりと守ってあげることが大切です。
特に臆病な犬にとって、パーソナルスペースを侵害してくる相手は恐怖の対象であり、敵としてみなしてしまうこともあるでしょう。
犬たちと友好的かつ信頼し合える関係を築くためには、パーソナルスペースを理解して、きちんと守って接することが重要なポイントとなります。

犬との上手な距離の取り方

子犬の頃から飼っていたり、また長い期間飼っている愛犬の場合は、密接なパーソナルスペースで過ごすことができることが多いと考えられます。
しかし、犬の性格やそのときの状況によって、そのスペースが広がるということも考えられるので、犬の様子を確認しながら適切な距離を見つけるようにしましょう。

また、散歩中などに初めて会った犬と接するときもパーソナルスペースを把握してあげることも重要です。
犬の様子に関わらず強引に距離を縮めてしまうと、その犬に対して恐怖感や不安感を与えてしまい場合によっては逃げてしまったり、威嚇や攻撃を受けてしまったりすることもあるので気をつけましょう。

距離を縮めて近づいたときに、犬が尻尾や耳を下げたり、軽く後ずさりしたり、視線を外さずこちらの動きを凝視しているような様子が見られたら、犬がややその距離に不安を感じ始めていることだと理解してください。
また、手を避けようとしたり別の場所に移動したり、目の前であくびをしたりする行動が見られたら、「これ以上近づかないでほしい」と思っていると考えるといいでしょう。

そのようにして、パーソナルスペースを理解していることが分かるような行動を続けていれば、犬も警戒心を解いて信頼してくれるようになり、パーソナルスペースが狭くなる可能性も高くなります。

 

愛犬との関係性を深めるため、また初対面の犬と仲良くなるためには、その犬のパーソナルスペースを即座に理解して守り、犬の方から距離を縮めてくれるのを待つようにするといいでしょう。