平成30年度、保健所へ収容された犬猫は100,648頭。
そのうちの頭は引き取り手43,216が見つからず、殺処分されています。

※環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室 平成30年度 犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況より

 

殺処分については過去10年間の推移を見ると、殺処分数は3分の1以下に減少しているものの、依然として人間の無責任な行動の結果として無数の罪のない命が奪われています。
ブリーダーの売れ残りや繁殖ができなくなった犬や猫、ペットショップの売れ残り、玩具代わりとして遊ばれた犬や猫は、二酸化炭素(CO2)を充満させ酸素を抜いていく方法で、殺処分していきます。決して、「安楽死」ではありません。
人間の都合で不要とされた犬猫は、次々とその命を無理やり絶たれているのです。

 

新たに犬を飼いたい人にお勧めの方法

こうした犬をめぐる残酷な現実が、しだいに世間に知られるようになり、行政も少しずつ動き始めています。東京都の小池百合子知事も2020年のオリンピックまでに殺処分ゼロを目標に掲げています。今後は、ペット販売についても、動物愛護の観点から規制が行われるでしょう。

たとえば、ペットショップで子犬を入れているショーケースの広さについて、現在は何も法的な規制はありませんが、近い将来、1頭当たり最低限の広さを確保する法律が作られると思われます。

そうなれば、ペットショップでは、子犬を売るために今よりも広い面積を必要とすることになります。子犬を置いておくだけで今よりも高いテナント料がかかりますから、子犬を販売するビジネス上のうまみが小さくなるわけです。

こうした規制を厳しくすれば、事実上、ペットショップでの生体販売はできなくなるでしょう。

そして、これから新たに犬を飼いたいという人には、自分からブリーダーさんのところに出向いていって、どのようなワンちゃんかちゃんと見極めてから飼われることをお勧めします。

ネットで検索すれば、ブリーダーさんと犬種の情報がたくさん出てきます。それで目星をつけてから、実際にブリーダーさんのところに行ったらいかがでしょうか。実際に出向いて見れば、ブリーダーさんの人柄、ワンちゃんの生育環境、しつけの状況、母親や兄弟の様子などがわかります。

つまり、愛情をもって育てられたワンちゃんか、どのような成犬に育つかといったこともわかるわけです。

命あるものを飼うのですから、これくらいはきちんと見てから、飼うようにしていただきたいものです。