日常の様々なシーンをわたしたちと共有してくれるワンちゃん。身近な存在だからこそ、ついつい犬にも人間と同じ食べ物や飲み物を与えてしまいがちです。でも実は犬の体には適さないものが多く、病気や体調不良のきっかけとなってしまうもの、病気の直接の原因になってしまうものもあるのです。

①牛乳

人間が飲む牛乳と、犬用のミルクでは物が違います。人にとっては栄養満点の牛乳ですが、人と犬の消化器官はちがいます。愛犬にとっては牛乳は最適な飲み物とは言えません。

ワンちゃんに牛乳を与えてしまうと下痢になってしまうことがあります。それは牛乳に含まれている乳糖という成分が原因で、ワンちゃんはその乳糖を分解できないからです。そのような理由から人間が飲む牛乳を与えるのは良くありません。

牛乳にはカルシウムが含まれていますね。カルシウムは骨を丈夫にしてくれる良い成分のはずですが、カルシウムがシュウ酸という成分と結びついて、結石を作ってしまいます。それが尿結石になってしまい、病気の原因になることがあります。

これらの理由から、牛乳は犬にとって良い飲み物とは言えません。もし牛乳のようなものを与えたいと言うことでしたら、犬用のミルクを与えるようにしましょう。

②カフェイン

ワンちゃんに飲ませてはいけない飲物で次に考えられるのが、カフェインが含有されている飲物です。例として、コーヒー、お茶、コーラ、栄養ドリンクなどです。

コーヒーを飲ませてはいけないということは当たり前のことですが、この他にも身近でカフェイン入りの飲ませてはいけないものがあります。一見飲ませても平気そうなお茶ですが、カフェインが含有されているものとされていないものがあり、カフェインが含有されているものはワンちゃんにとって害になります。含有されているのが、紅茶、緑茶、日本茶、ウーロン茶、ほうじ茶、玄米茶です。

犬がカフェインを過剰に摂取してしまうと、以下のような症状が現れます。 頻脈、呼吸促迫、興奮、振戦、震え、痙攣、不整脈、全身性のうっ血または出血などです。

少し舐めてしまった、飼い主がこぼしたコーヒーを舐めてしまった、飼い主が目を離した隙に少し飲んでしまった、このような場合はおそらく愛犬が飲んだコーヒーの量はあまり多くないでしょう。見た感じ、愛犬の様子に全く変わりがない、そのような場合は動物病院へ連絡し状況を説明しましょう。

③アルコール

ワンちゃんに飲ませてはいけない飲物でまず考えられるのが、当たり前のことですがアルコール飲料です。

犬の体は人間の体と違い、アルコールを少し摂取しただけでも危険な状態になることがあります。

人の場合、摂取したアルコールは胃または腸で吸収され、肝臓で分解されます。しかし、犬にはこのような身体の機能は備わっていません。そのため、万が一アルコールを摂取してしまった場合、ずっと体の中で分解されずに体の中にアルコールの成分が残り、悪影響が及びます。

④ココア

犬にチョコレートを与えてはいけないと言う事は皆さんご存知かもしれません。ココアもチョコレートと同じカカオから作られていますよね。カカオには「テオブロミン」という成分が含まれています。

「テオブロミン」は、犬の体に悪影響を及ぼす成分で、摂取してしまうとチョコレート中毒を起こします。

チョコレート中毒を起こすと、嘔吐になり下痢をしたりします。また吐くこともあります。さらに重症になると、痙攣を起こし呼吸ができなくなったり、不整脈が起こります。最悪の場合は、麻痺が起こり死に至ることもあります。

 

 

犬は、嗅覚が優れているので人が飲んでいる飲み物の匂いを嗅いで、飲みたいとアピールしてくることがあるかもしれません。また、飼い主がうっかりこぼしてしまった飲み物を、知らないうちに舐めていることもあるかもしれません。

犬は、それが自分の体にどのような影響を及ぼすか分からずに摂取してしまいます。ちょっとしたことが、犬の命に関わる事態を引き起こすこともあります。ですから、人が飲む飲み物をこぼさないようにしたり、犬が飲んでしまわないように気をつけるようにしましょう。